家計簿をつけていると、「今月はこれだけ入ってきて、これだけ出ていった」という流れが見えてきます。
これは会社でいえば PL(損益計算書) をつくったのと同じこと。
でも、流れだけ見ても「お金の全体像」はつかみきれません。
次のステップは、自分のお金の「ストック」=たまり具合を見える化することです。
会社でいうところの BS(バランスシート) にあたります。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、やることはとてもシンプル。
「自分はいま、どれくらい資産を持っていて、どれくらい負債を抱えているか」を確認するだけです。
① 資産を書き出す
まずは、自分の持っているもの(=資産)をすべて書き出してみます。
例として、こんなふうに並べてみましょう。
- 銀行預金:300万円
- 現金:5万円
- 株式・投資信託:150万円
- 保険の解約返戻金:50万円
この場合、合計すると資産は 505万円になります。
② 負債を書き出す
次に、将来支払う必要のあるもの(=負債)を整理します。
- 奨学金残高:200万円
- 車のローン:50万円
- クレジットカード未払い:10万円
この場合、合計すると、負債は 260万円になります。
③ 純資産を計算する
最後にシンプルな計算をします。
資産 505万円(①) − 負債 260万円(②) = 純資産 245万円(③)
この「純資産」という数字が、あなたのお金の健康状態を示してくれます。
お金の健康診断という考え方
純資産がプラスなら「とりあえず今の暮らしは大丈夫だな」と安心できますし、もしマイナスなら「借金や支出を少し見直そう」というサインになります。
つまり、資産と負債を棚卸しすることは、自分にとっての「お金の健康診断」なんです。
会社が決算をして経営状態を確認するように、私たちもお金をチェックしてあげることが大切です。
どのくらいの頻度でやればいい?
「毎月やるの?」と思うかもしれませんが、そこまで頻繁じゃなくて大丈夫です。
おすすめは 年に1回。
お正月や誕生日など、区切りのいい日に「資産と負債を書き出して純資産を確認する」という習慣にすると続けやすいですよ。
- 毎月:PL(家計簿)でお金の流れを把握
- 年1回:BS(資産の棚卸し)で全体像を確認
このセットが揃うと、お金の見える化はぐっと完成度が上がります。
やってみると意外と楽しい
「ちょっと面倒そう…」と思うかもしれませんが、実際にやってみると意外と楽しいものです。
- 去年より純資産が増えているのに気づいて嬉しくなる
- 負債が増えすぎていると早めに修正できる
数字を整えるだけでなく、暮らしに安心感をプラスしてくれる。
それが資産の棚卸し=お金の健康診断の良さです。